相続財産調査とは、故人の財産にはどんなものがあってどれだけの価値があるのかを調査するものです。
なぜ相続財産を調査するのでしょう?
3つ理由がありますが、いずれも重要なものです。
相続財産調査が行われる理由

相続人に相続放棄するかしないかの選択肢を与えるため
相続財産調査が行われる理由のひとつめは、相続人に相続放棄するかしないかの選択肢を与えるためです。
相続財産には、現金、預貯金、不動産、貴金属といったプラスの資産だけでなく、借金や債務といったマイナスの資産も含まれます。
プラスの資産よりマイナスの資産が多い場合、相続人にもしその財産を引き継ぐか引き継がないかの選択肢がなければ、否応なく借金や債務を相続させることになります。
そんな理不尽なことがないよう、相続人は、故人の財産を引き継ぐか引き継がないかの選択肢を与えられます。
もし、プラスの資産よりマイナスの資産が多ければ、それを引き継がないようにする、つまり相続権を放棄することができるのです。
これを相続放棄といいます。
相続人は相続放棄をすることで、故人の借金や債務を免れることができます。
では、その故人の財産。
はたして、プラスの資産とマイナスの資産のどちらが多いでしょうか。
どちらが多いか分からなければ、相続を引き継ぐことも相続放棄をすることができないですよね。
そのような状況を避けるため、相続財産が調査されるのです。
相続税の確定のため
ふたつめは、相続税の確定のためです。
相続税がかかるのか、かからないのか。
かかってくるのなら、相続税は、被相続人が死亡したことを知った日(通常、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内に申告されなければなりません。
相続税の確定とは、故人の財産の価額を調査・評価し、課税対象となるかどうかを判断した上で、相続税額を計算し、税務署に申告・納付する一連の手続きのことです。
相続税がかかるのか、かからないのかの判断は、この計算式でできます。
基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数
基礎控除額とは、相続税がかかるのか、かからないのかの判断となる額です。
たとえば、相続人がふたりなら、3,000万円+600万円×法定相続人の数は、3,000万円+600万円×2となり、4,200万円(基礎控除額)となります。
つまり、故人の財産が4,200万円以下なら、相続税はかかってこないことになります。
| 法定相続人の数 | 基礎控除額 |
| ひとり | 3,600万円 |
| ふたり | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 以降、法定相続人が1人増える毎に、600万円ずつ基礎控除額が増加 | |
※「小規模宅地等の特例」、「障がい者控除」といった控除や特例が適用されれば、遺産総額が基礎控除額を上回った場合でも、相続税がかからない場合があります。
このように、相続税がかかってくるのか、かかってこないのか、かかってくるとしたら相続税はいくらなのかというのを把握するために、相続調査が行われるのです。
遺産分割協議を避けるため
みっつめは、遺産分割協議を避けるためです。
もし、相続手続きの進行中に、それまで認識されていなかった財産が見つかれば、遺産分割協議という手続きが必要になります。
遺産分割協議とは、相続人が話し合って財産の分割方法を決める手続きです。
認識されていなかった財産があれば、それをどう分割するか話し合って決める必要があるため、この遺産分割協議が開かれるのです。
遺産分割協議は、手間も時間もかかる手続きのため、できれば避けたい手続きです。
遺産分割協議を避けるべき理由とは|
相続手続きの進行中に、それまで認識されていなかった財産が見つかることがないよう、相続財産を調査しておくのです。



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