身体の衰え、判断能力の衰えから生じるご不安やお悩み。
そうしたご不安やお悩みの備えを検討されたことがありますか?
身体の衰え、判断能力の衰えから生じるご不安やお悩みに備えるためには、複数の制度やサービスを検討しなければなりません。
こうした制度やサービスのひとつに任意後見制度があります。
任意後見制度は、判断能力の衰えた方、障がいを抱える方の支援を行うための制度です。
超高齢化社会に突入した(超・超高齢化社会に突入しようともしている)我が国の高齢化率は、いまなお上昇を続けています。
このまま高齢化が進行すれば、社会保障費の増大と同時に少子高齢化=労働力不足が懸念されます。
“これから”今後、わたしたちの社会は、暮らしどうなるのでしょうか?
そもそも高齢化社会とは、どなたも長く人生を謳歌できる社会のはず。
それが今やなぜ、ネガティブなイメージしかないのでしょうか。
ひとつの理由として、寿命の長期化に身体能力や物事を判断する能力がついていかなくなることが考えられます。
シニア世代がハツラツと健康な生活を送ることができれば、それほど問題視されることはないのではないでしょうか。
しかし実際のところ、年を召されれば身体能力や判断能力の衰えは避けようがありません。
身体能力や判断能力の衰えが避けられないのであれば、お元気な”今”に将来の安心を確保しておく。
こういう選択が理に適っているのではないでしょうか。
お元気な”今”の内に将来の安心を確保する方法――その方法のひとつが任意後見制度なのです。
「自分のことを、自分で決めておきたい」
自分自身のことを粗末に扱いたくない、家族に迷惑をかけたくない。
任意後見制度は、そんな思いに寄り添ってくれるための制度なのです。
任意後見制度は、将来の自分に安心を贈る制度

任意後見制度とは、将来、ご自身の判断能力が衰えたときに、あなたの信頼する方から支援を受けるための制度です。
任意後見制度を活用するには、ご自身の判断能力が健全な内に、任意後見契約という契約を結んでおかなければなりません。
お年を召すことによって、あるいは病気や不慮の事故によってお金の管理ができなくなる、入院や施設への入所がスムーズにできなくなる。
こうした「もしものとき」に、あなたが信頼する方に代わって行ってもらえるよう契約を結んでおく、その契約が任意後見契約です。
任意後見契約でお願いできること
任意後見契約は、将来、ご自身の身体能力や判断能力が衰えたときのために行う備えのひとつです。
任意後見契約の特徴のひとつに、お願いする側される側双方の合意により、(法律の趣旨に反しない限り)自由にその内容を定めることができるというものがあります。
自由にその内容を定めることができるとはいっても、一定の限界はあるのですが…。
内容として定められないものに、食事や入浴の介助、買い物や掃除といった直接的な介護や日常生活の支援があります。
※定められるのは法律行為のみ。
注意点としてもうひとつ。
予め契約内容として盛り込んでいなければ、将来、その支援が必要になったとしても支援してもらえないということがあります。
そのため、任意後見契約は、将来のことを具体的に想定し、なにをお願いするのか明確にしておかなければならないのですが、「さて、将来なにが必要となるかわからない」、「なにをお願いしておけばよいのかわからない」となるのが正直なところと存じます。
このように任意後見契約は、お願いできる行為を自分で決めなければならないという他、公正証書という文書で作成しなければならないというように一般の方には、難しく感じられる面があります。
このように難しく感じられる任意後見契約ですが《たくす行政書士事務所》は、任意後見の良い点だけでなく悪い点もふくめて、わかりやすくご説明いたします。
任意後見契約の作成には、将来起こりえる支援ニーズを網羅的に盛り込んでいかなければなりません。
そのため、後見人の経験がある専門家に作成をお願いするほうが確実です。
本当に任意後見が必要なのか、他に良い支援策がないかなども、あなたのお話を聴かせて頂き判断いたしますので、”これから”に漠然とした不安を抱いておられる方も《たくす行政書士事務所》にご相談頂ければと存じます。
任意後見契約でお願いできることは、大きく分けてふたつあります。
ひとつは「財産の管理」、もうひとつは「身上監護(介護や生活面の手配)」です。
法定後見制度とのちがい
これまで見てきた任意後見制度は、成年後見制度のひとつです。
成年後見制度には、今まで述べてきた任意後見制度ともうひとつ、法定後見制度があります。
よく似た名称の制度ですが中身は異なっていて、最大の違いはご自身のご意思が後見人の選任や支援内容に反映されるかどうかにあります。
☘ 任意後見と法定後見の違いは別記事にまとめましたので、ご参照ください。
https://takusu.rich-hack.com/kouken_tigai
任意後見が開始されるまで
任意後見が開始されるまでに、以下のようなステップをたどります。
ご家族、ご親戚、ご友人、専門職(弁護士・司法書士等)等から、あなたが信頼できる方を選びます。
❶で選ばれた方とともに、なにをどこまでお願いするかを具体的に決めていきます。
このときに見守り契約や、死後事務委任契約を検討される方もおられます。
任意後見契約は、公正証書での作成が求められます。
公正証書とは、公証人によって作成される公文書のことです。
▶「なぜ契約書を公正証書で作成しなければならないのでしょうか」|よくある質問
公正証書の作成時、ご本人様が公証人役場に出頭します。
※外出が困難であれば、ご本人様のもとに出張頂けるようお願いすることも可能です(別途、出張費用がかかります)
ご自身がおひとりで日常のやりとりやお金の管理に不安を感じるようになってきたら、専門医に相談してみましょう。
判断能力に衰えありと診断され、後見制度利用が現実的となれば申立ての準備をしていきます。
まずは申立てを行う方を決めなければなりません。
申立人は、ご本人、ご本人の配偶者、四親等内の親族、任意後見人です。
申立てに必要な書類には以下のものがあります。
・申立書
・医師の診断書
・ご本人・任意後見人に関する書類、任意後見契約公正証書のコピー
・財産に関する書類など
申立てが行われると、家庭裁判所による審査が開始されます。
・ご本人・申立人・任意後見人・ご親族への聞き取りや調査
・必要に応じ、医師による判断能力の鑑定
申立てから任意後見監督人が選任されるまで、通常1~2か月かかります。
任意後見監督人が選任されると、家庭裁判所の嘱託により審判の内容が登記されます。
任意後見契約にかかる報酬
| 任意後見契約書作成 | 55,000円 |
| 【標準】任意後見支援 | 22,000円/月 |
任意後見契約書の作成には、上記報酬の他、公証人役場に支払う費用がかかります。
▶任意後見契約公正証書を作成する費用は、いくらでしょうか?|たくす行政書士事務所
| ご要望に応じて行う追加的な支援例 | 標準報酬(税込) |
| 家庭裁判所への申立て | 44,000円 |
たくす行政書士事務所が任意後見人となった場合、報酬は上記の通りですが、任意後見の開始には、任意後見監督人の選任が必要とされ、その任意後見監督人への報酬も必要です。
任意後見制度に関するQ&A
任意後見制度を利用する際に、知っておきたいことに以下のものがあります。
- Q認知症により判断能力の衰えが若干みられるのですが、任意後見契約を結べますか?
- A
基本的に、ご本人に判断能力がなければ任意後見契約は結べません。
しかし、認知症であることが直ちに判断能力が不十分だということになりません。
公証人が、ご本人や関係者からの説明、医師の診断などを参考に個別に判断能力の有無を判断し、公正証書が作成できるかどうかを決めます。
- Q任意後見と法定後見、後見の内容にちがいがありますか?
- A
名称は類似していますが、両制度は開始のタイミングや手続き、後見人の選び方などに大きなちがいがあります。
加えて、両制度には代理権の範囲、取消権・同意権の有無にちがいがあります。
任意後見と法定後見のちがい、代理権の範囲、取消権・同意見の有無について別記事にまとめました。
詳しくは、下記のリンク先をご参照ください。
自分の"これから"が不安なとき、法定後見と任意後見どちらを選べばよい?もしも将来自分の判断能力が衰えて、買い物や生活に支障がでてきたら?いま現在、あなたの判断能力に健全であれば、買い物や生活に支障の生じる将来は想像しにくいかもしれません。しかし長寿という幸福が享受できる我が国で、認知症等と無縁でいられるのでしょうか。判断能力が衰えた方を法的に支援する制度には成年後見制度があります。成年後見制度には法定後見と任意後見がありますが、名称が似ていることもあり混同している方もおられますが、両制度は目的や開始のタイミングが異なる別々の制度です。この記事では両制度について
- Q任意後見契約の解除はできますか?
- A
任意後見契約は、任意後見監督人が選任される前であれば、ご本人または任意後見人は、公証人の認証を受けた書面によって、いつでも解除できます。
任意後見監督人の選任後は、正当な理由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て、契約を解除することができます。
※任意後見人がご本人より先に死亡すると、任意後見は終了します。
- Q任意後見制度でかかる費用や報酬には、どんなものがありますか?
- A
契約したとき、実際に判断能力の衰えがみられ家庭裁判所に申立てを行ったとき、任意後見人、任意後見監督人に支払う報酬などの目安は次のとおりです。
契約時、家庭裁判所への申立て時の主な費用の目安
①契約時
公証役場の手数料、法務局へ納める印紙代、登記嘱託料など…合計2万円程度
②家庭裁判所への申立て時
任意後見監督人選任申立費用…合計約6,000~7,000円
医師の診断書…数千円程度
戸籍謄本、住民票などの発行手数料…1枚数百円
鑑定費用(家庭裁判所が必要と判断したとき)…10~20万円任意後見人等に支払う報酬等の目安
任意後見人等への報酬…契約によります。ご家族が後見人となれば無償の場合も。
任意後見監督人への報酬…本人の財力に応じ1~3万円(家庭裁判所が決定)
任意後見事務にかかった実費(軽費)
もし後見人をお願いできる者がいなければ?
後見人をお願いできる方がいないとお悩みの方もおられるかもしれません。
その場合でも弁護士、司法書士、行政書士、社会福祉士等の専門家に依頼してもよいですし、最近では、市町村等の支援を受けて後見業務を行う市民後見人の制度も活用できます。
厚生労働省ホームページによりますと、現在約4分の1の市町村が市民後見人の育成・活動支援に取り組んでいるようです。
さらに、いわゆる市民後見人型のNPO法人その他の法人に後見人になってもらうこともできるでしょう。(富山市では、こういった法人はまだないようです)
例えば、社会福祉協議会等の社会福祉法人、公益社団法人成年後見リーガルサポートセンター、公益社団法人コスモス成年後見サポートセンター、公益社団法人家庭問題情報センター等があります。
富山市の社会福祉協議会には、とやま福祉後見サポートセンターという成年後見に関する相談窓口があります。
任意後見人契約は元気な”今”だからこそできる備え

身体能力の衰え、判断能力の衰え?
「まだ先の話だし、自分には関係ないんじゃないかな」
ご自身のことをご自分で決められてきたことの多いおひとり様は、そう思われるかもしれません。
しかし、おひとり様であればなおさらのこと、将来の備えは、元気な内にしておくことが必要です。
任意後見契約は、あなたの思いや希望をかたちにできるものです。
この契約によってもたらされる安心は、将来のあなたへの贈り物となるでしょう。
ただし、あなたのためだけへの贈り物ではありません。
ご家族やご親戚、ご友人といった大切な方にも安心を贈ることになるのです。
任意後見契約は法的な制度ではありますが、根底にあるのは「人と人との信頼関係」です。
この制度を通じて、これからの人生に少しでも安心と希望を持てる方が増えたら、それほど嬉しいことはありません。
この記事をご覧になって「専門家に相談してみたいな」と思われるようでしたら、是非たくす行政書士事務所にあなたのお話をお聞かせ頂ければ、と存じます。
